『塩狩峠』[ 母 ]74 信夫は急におびえた顔……

信夫は急におびえた顔になった。ヤソというのが何であるかを信夫は知らない。しかし、トセがヤソというのは、人の血をすすったり、人の肉を食べるのだと言っていたことを思い出した。それから、ヤソは日本の国を亡ぼすために、いろいろ恐ろしいことをやっているとか、魔法をつかって、人をたぶらかす悪者だとか、言っていたことも忘れてはいなかった。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『果て遠き丘』[ 蔓バラ ](一)12 と、幾度も迫ることで……

  2. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](十)19 「決まってるじゃあり……

  3. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](五)18 ツネは自分の腰あたり……

  4. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]349 「ぼくのうしろにかく…………

  5. 『塩狩峠』[ 鏡 ]37 「のどの奥にこんなも……

  6. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]215 「だから、ぼくもお坊…………

カテゴリー

アーカイブ